ロジアンおよびオークニーの国王ロットと、アーサーの姉モルゴースの間に生まれた息子。アーサー王の宮廷には身をやつして現われ、烹炊関係の仕事につけられた。ケイは「ボーマン(Beaumains)」(すなわち白い手の意。仕事をして汚れていないということ)という侮蔑的なあだ名を献上した。
「赤い国の赤い騎士」に攻められている妹のリオネッスを支援すべき騎士を求めて、リネットがアーサーのもとにやってきたとき、ガレスは自分の正体を知っている侏儒(こびと)をともなって、リネットに同行した。リネットは台所の下働きの男ごときに守ってもらいたくはないのだと、口ぎたなく不平を鳴らしたが、ガレスは「黒い騎士」、「緑の騎士」、「赤い騎士」と順にうち負かし、ついに「赤い国の赤い騎士」を打ち破った。結局ガレスはリオネッスと結婚した。
マロリーが語るこの物語は、すでに散逸したフランスの物語をもとにしているのかもしれない。アーサーがローマ皇帝テレウスと戦ったとき、ガレスはトスカナ王ダティスを打ち取った。ガレスはランスロットが処刑寸前のグウィネヴィアを救出しようと立ち回った際、ランスロットによって殺されてしまった。