アーサー王物語には教皇がときどき登場する。ガウェインを騎士に叙したのは、架空の教皇スルピシウスである。ひょっとしてこれは教皇シンプリシウス(在位468-483)の別名であったのかもしれない。アーサーをローマ皇帝に任命したのも教皇であるし、また、グウィネヴィアをめぐって戦うアーサーとランスロットの仲裁をすべくロチェスターの司教を派遣したのも教皇であった。
『ザルツブルグ年代記』およびジャン・ド・プレ(1338-1400)は、アーサーが教皇ヒラリー(在位461-8)と同時代人であったと主張している。アーサー王伝説の時代に生きたとされる教皇としては、フェリックス3世、ゲラシウス1世、アナスタシウス2世、シマクス、ホルミスダス、ヨハネ1世、フェリックス4世、ボニファス2世、ヨハネ2世、アガピトゥス1世、シルベリウス、ヴィジリウスなどの名前があげられる。