ソールズベリー平原にある、環状に配された巨石群。西ブリテンにはこのような遺跡が多数存在する。
最初からストンヘンジと呼ばれていたわけではなく、そのように名づけられたのは中世以降である。その製作は3段階に分かれる。まず紀元前2800年ごろにヒール・ストーンで溝と土手をつくり、同2000年ごろにブルーストーンの柱が立てられた。これはたぶん(ウェールズの)プレセリー山系から斬り出され、海を経て、アヴォン川を溯江し、最期に陸上を運ばれたのであろう。そしておそらくビーカー族によって構築されたのであろう。
次いで同1500年ごろ、サルセン石のトリリトン(2本の立石上に横石を渡した形状のもの)が、たぶんウェセックス文化の人々によって建てられた。
アーサー王伝説のなかでは、ストンヘンジは死者を記念するために、マーリンの発案によりアイルランドから運ばれてきたのだとされる。この記述には、それが海を越えて運ばれたのだという口碑伝承が痕跡として残っているかもしれない。