「パ・ギル」という詩と、ウェールズの散文によるアーサー王物語の最大傑作「キルフウフとオルウェン」のあいだには、多くの類似点がある。「キルフウフ」は『リゼルフの白い本』と『ヘルゲストの赤い本』のいずれにも残っていたが、19世紀の前半に、レディ・シャーロット・ゲストによって、関連する10の散文物語とともに翻訳された。ゲストはこの物語集を『マビノギオン』(Mabinogion)と呼び、とりあげたすべての物語は青春というテーマによって関連づけられている(mabは少年、息子を意味する)のだと考えた。
しかしながら、"マビノギオン"はじつは"マビノギ"(Mabinogi)の転写ミスで、今日ではほとんどの学者はこの本来の"マビノギ"という語を用いている。