アーサー王の国の首都。物語によれば、異教の王カマーリスにちなんでつけられたのだという。
アリマタヤのヨセフがブリテン島にやってきたとき、ここは国随一の都市であった。そのころ君臨していたのはアグレステス王である。最初はキリスト教を擁護するかのようにふるまったが、ヨセフが去ると手のひらを返したようにキリスト教徒を迫害した。最後には神が王の正気を奪ってしまう。
この都市の名前が初めて出てくるのは、クレティアンの『ラーンスロ』である。そこの第一の教会がセント・スティーヴン教会であると教えてくれるのは、マロリー。カメロットはどこにあったのだろうか?昔はさまざまな推測がなされてきた。ローマ時代にコルチェスター(Colchester)はカムロドゥヌム(Camulodunum)と呼ばれていたが、この名前の響きはカメロットに似ていなくはない、などというのがひとつ。近代では、サマセットのカドバリー城がそれであると考える人が出てきた。そこには確かにアーサー王時代に豪族の城砦が存在したことが、考古学によって確認されているのだ。カドバリー城がカメロットであるという説は16世紀にも行なわれていた。
「ウィンチェスター」