第4回 ソニックの動きとカメラ その2
2008年12月31日
みなさんこんにちは。
『ソニック ワールドアドベンチャー(SWA)』 ディレクターの橋本です。
ちょっとばかり間が空きましたが、
前回の「ソニックの動きとカメラ」に関するお話のつづきです。
前回私は、SWAで
「ソニックの最高峰を目指すべく、
『ソニックの動きとカメラのスタイル』の
ひとつの答えを導き出そう。」
というつもりであったことを書きました。
今回はその考察過程について。
先に用語についてですが、
ソニックを主に後ろから映して、画面奥に向かって走っていくスタイルを「3Dソニック」、
ソニックを横から映して、主に画面右に向かって走っていくスタイルを「2Dソニック」と
ここでは呼ぶことにします。
★重点ポイント
・ソニックの持つ「超速いアクションゲーム」という他に無い特徴を伸ばし、
めまぐるしくアクション展開する
「ノンストップ超音速ジェットコースターアクション」を実現する。
・同時にプラットフォーミング(ジャンプアクション)も大切にする。
★2Dソニックの長所
・ループ地形やなだらかな起伏、垂直上昇/下降など2D表現の特徴を生かし、
画面の上下左右方向に対してのダイナミックなジェットコースターアクション
が可能。
・精密なプラットフォーミングが可能なので、「ゲームらしいゲーム」を作りやすい。
★2Dソニックの短所
・サイドスクロール故にソニックの前方の視界を確保し辛く、
速度を上げすぎるとゲームにならなくなる。
・映画のような、画面に物体が迫り来る迫力やリアル感を出しにくい。
・(良くも悪くも)左右にしか動けない。
★3Dソニックの長所
・画面奥や手前に向かって進むことができるので、大迫力の画面を作りやすい。
・前方の視界を確保できるのでスピードを上げやすい。
・3D空間内で自由な動きのアクションが可能。
★3Dソニックの短所
・人間が3D空間をTV画面で認識するのは難しいので、
精密なプラットフォーミングは求めにくい。
・2Dほどには小回りの利いた動きはさせにくく、
ある程度大味になりやすい。
総合すると、
2Dソニックと3Dソニックはお互いの良いところを生かして
補完し合える関係にあるのではないか
と考えました。
そしてある結論に至ります。(2009年につづく)
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さて、2008年も本日でおしまいですね。
私はSWAの開発のおかげで
それはそれはハードな1年ではありましたが、
充実した日々でありました。
みなさんは良い年を過ごすことはできましたでしょうか?
是非この年末年始はおせち料理でも食べながら
『ソニック ワールドアドベンチャー』Wii版をお楽しみください。
(そして2月にはPS3/360版も発売となりますのでそちらもお楽しみに!)
2009年もみなさまにとって素晴らしい1年となりますように。
良いお年を!
p.s. 私の席は今はもう少しばかりキレイになっています
日時: 2008年12月31日 15:30 | パーマリンク