アーサーの庶子。「赤薔薇の騎士」と称される。母親の名はアンジェリカ。羊飼いに育てられたのち、アーサーによって軍の指令長官に任じられ、ポルトガル軍を敗る。
「妖精女王」カエリアとの間に庶子(「妖精の騎士」と呼ばれる)をもうけた。プレスター・ジョン(プレステ・ジョアン)の国に行き、王の娘アングリトーラと駆け落ちした。ふたりの間には「黒い騎士」なる息子が生まれた。
トムが私生児だとわかると、アングリトーラはトムを捨て、ある城の主の妾となった。そして城に訪ねてきたトムを殺してしまった。トムの亡霊が息子の「黒い騎士」にすべてを話すと、息子はアングリトーラを殺した。「黒い騎士」は「妖精の騎士」に出会い、ふたりはいっしょに旅を続け、最後にはイングランドにやってきた。物語『リンカンのトム』の作者はリチャード・ジョンストン(生年は1573年。没年は不詳)である。