スペンサーの『妖精女王』で描かれる妖精の国。アーサーは王になる以前にここでさまざまの冒険を経験した。これは寓意詩(アレゴリー)で、フェアリーランドすなわちスペンサーの生きた時代のイギリスそのものである。そこに棲む者たちは、自分たちが(プロメテウスによって創造された)エルフとアドニスの庭にいた妖精の子孫であると称している。
初期の王には、エルフの息子で、イギリスとアメリカを統治したエルフィン、クレオポリスを創造したエルフィナン、その周囲に黄金の壁をめぐらせたエルフィライン、小鬼(ゴブリン)と戦ってうち負かしたエルフィネル、エルファント、双頭の巨人と3頭の巨人を殺したエルファー、海に真鍮の橋をかけたエルフィノアなどがいた。